- 歯を残すためには予防が大切です
- 歯科医院でのメインテナンスのメリット
- 予防歯科の主なメニュー
- 誘導的バイオフィルム療法(GBT)とは?
- GBTのメリット
- GBTの流れ
- 定期検診で歯の健康を守りましょう!
歯を残すためには予防が大切です
「歯が痛くなったら歯科医院へ行く」とお考えの患者様は少なくありません。これまで、歯科医院は「治療を受ける場所」として認識されてきました。しかし、近年では「むし歯や歯周病を予防するために通う場所」としての役割がより重視されるようになっています。むし歯ができてしまった歯は、治療によって進行を抑え、失った部分を詰め物や被せ物で補うことはできますが、一度削った歯が元の状態に戻ることはありません。治療を繰り返すたびに歯への負担は増し、やがて歯を失う原因となってしまうこともあるのです。だからこそ重要なのが「予防」です。定期的な検診やクリーニングを受けることで、むし歯や歯周病の発症や再発を防ぎ、リスクを最小限に抑えることができます。ご自身の大切な歯をいつまでも守るために、予防を日常の習慣にしましょう。
歯科医院でのメインテナンスのメリット
むし歯や歯周病の予防に効果的です
定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることで、磨き残したプラーク(歯垢)を一度リセットできます。磨き残しの傾向は人それぞれ異なりますが、毎回同じ場所に残りやすいため、適切なブラッシング指導は予防歯科の重要な柱です。
口腔内の異常を早期に発見できます
むし歯や歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。定期検診を受けることで、病気の進行前に異常を見つけることができ、早期発見・早期治療によって、歯へのダメージを最小限に抑えることが可能です。
治療の負担や費用を軽減できます
むし歯や歯周病が進行すると、治療も複雑になり、治療期間や通院回数が増える傾向にあります。早期発見・早期治療により、身体的・経済的な負担を軽くすることができます。
予防歯科の主なメニュー
ブラッシング指導(TBI)
毎日歯を磨いていても、磨き方が間違っていると磨き残しが多くなり、むし歯や歯周病の原因になります。当院では、患者様一人ひとりのお口の状態や生活習慣に合わせた歯磨き指導(TBI:Tooth Brushing Instruction)を行い、セルフケアの質の向上をサポートしています。歯科衛生士が丁寧にアドバイスいたしますので、お気軽にご相談ください。
スケーリング(歯石除去)
歯垢が時間とともに石灰化すると歯石となり、ご自身のブラッシングでは除去できません。当院では専用の器具を使って、歯にこびりついた歯垢や歯石を丁寧に除去し、清潔な口内環境を保ちます。お口の状態に合わせたスケーリングの頻度をご提案いたします。
PMTC(プロによる歯のクリーニング)
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、専用の機械と研磨剤を使って歯の表面を徹底的に磨き上げる処置です。日常のケアでは落としきれない汚れや細菌を取り除き、施術後は爽快感が得られます。歯の表面が滑らかになることで、細菌の再付着を防ぐ効果も期待できます。
誘導的バイオフィルム療法(GBT)とは?
GBT(Guided Biofilm Therapy)は、歯や歯ぐきに付着したバイオフィルム(細菌の塊)を安全かつ効果的に除去するための先進的なメインテナンス法です。専用の染色剤を歯の表面に塗布することでバイオフィルムを可視化し、どこに汚れがあるかを確認しながら丁寧にクリーニングを行います。また、専用のジェット噴射器を使用し、水と微細なパウダー粒子を吹き付けることで、バイオフィルムだけでなく、着色汚れ(ステイン)や柔らかい歯石もやさしく除去します。従来の器具と異なり、歯の表面や歯ぐきに余分な負担をかけにくいため、知覚過敏のある患者様にも安心して受けていただけるのが特徴です。お口の中を清潔に保つことは、むし歯の早期発見はもちろん、歯周病やインプラント周囲炎の予防にもつながります。痛みが少なく、やさしいメインテナンスをお求めの方におすすめの予防処置です。
GBTのメリット
お口にやさしいクリーニングで、歯や歯ぐきを守ります
当院では、従来の「歯面をこすり落とす」タイプのクリーニングで痛みや不快感を感じていた方や、知覚過敏のある方にも安心して受けていただける、GBT(誘導的バイオフィルム療法)によるやさしいクリーニングを導入しています。従来の方法では歯や歯ぐき、被せ物・詰め物・インプラントなどに傷がつくリスクがありました。しかしGBTでは、バイオフィルムを染め出して可視化し、ジェット水流によるやさしいアプローチで、歯面・歯周組織・補綴物にダメージを与えることなく、バイオフィルムやステイン、柔らかい歯石を効率的に除去することが可能です。この処置により、歯そのものの寿命や補綴物の耐久性が高まり、お口全体の健康維持にも大きく貢献します。
バイオフィルムの可視化で、徹底した洗浄が可能に
むし歯や歯周病、インプラント周囲炎をはじめ、バイオフィルムの蓄積はお口のトラブルだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすリスクがあります。GBTでは、専用の染め出し剤を使用してバイオフィルムの付着部位を可視化し、その位置を正確に把握しながらクリーニングを行います。これにより、見えにくい細部まで徹底的に洗浄することが可能です。処置後の歯面は滑らかになり、細菌の再付着が起こりにくくなるため、むし歯や歯周病の再発予防にも効果的です。日々の歯磨きでは落としきれないバイオフィルムを、定期的なGBTで取り除くことが、お口の健康を長く維持するうえで非常に有効です。
GBTの流れ
1お口の状態を丁寧に診査
まずは洗口液で軽くうがいをしていただき、余分な汚れを除去した後、歯や歯ぐき、インプラントおよびその周囲組織を含め、お口全体の状態を細かく診査・診断します。
2バイオフィルムの染め出しで可視化
専用の染め出し液を歯面に塗布し、目に見えにくいバイオフィルムに色を付けます。汚れの蓄積箇所を明確に把握することで、的確なクリーニングが可能になります。
3患者様と汚れを確認しながら説明
染め出されたバイオフィルムを実際にご覧いただきながら、お口の中の状態をご説明します。あわせて、日常のセルフケアや今後の予防方法について丁寧にアドバイスいたします。
4エアフローによる歯面クリーニング
エアフローという専用機器を使用し、水と微粒子パウダーをジェット噴射して、バイオフィルムやステイン(着色汚れ)、柔らかい歯石などをやさしく取り除きます。歯面を傷つけることなく、自然なツヤを取り戻します。
5ペリオフローで歯周ポケット内部を洗浄
柔軟のある専用ノズルを使って、歯周ポケットの奥深くまで洗浄を行います。歯の根元やインプラント周囲に潜む細菌を減らすことで、歯周病やインプラント周囲炎の予防につながります。
6仕上げの歯石除去
エアフローやペリオフローで取りきれなかった頑固な歯石を、専用の細かな器具を使って丁寧に除去します。細部までしっかりと仕上げていきます。
7最終チェックとフッ素塗布
全体の仕上がりをしっかり確認し、汚れの取り残しがないことをチェックします。最後に歯面へフッ素を塗布し、むし歯予防の効果を高めます。
8次回メインテナンスのご提案
きれいになったお口の状態を維持するためには、セルフケアだけでなく、歯科医院での定期的なGBTが重要です。患者様一人ひとりに適した検診のスケジュールをご提案いたします。
定期検診で歯の健康を守りましょう!
定期検診は、お口の健康状態を継続的に確認し、むし歯や歯周病などのトラブルを早期に発見・対応するための大切な機会です。いつまでもご自身の歯で美味しく食事を楽しみ、快適な会話を続けるためにも、定期的な受診は非常に重要です。また、過去にむし歯や歯周病の治療を受けたことがある方にとっても、再発を防ぐための重要な予防手段となります。当院では、定期検診の際にむし歯や歯周病のチェックを行うのはもちろん、専用の器具を用いたプロフェッショナルクリーニングや予防ケアもあわせて実施しています。患者様お一人おひとりのお口の状態に合わせたメインテナンスを提案し、健康なお口を長く維持できるよう、しっかりとサポートいたします。