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歯周病と関節リウマチの深い関係|最新研究からわかる口腔と全身のつながり

全身疾患と歯科治療  / 安心安全な歯科治療

こんにちは。
鶴間のぽかぽか歯医者さんです。

今回は、歯周病関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis)の関係について、
近年の研究や論文をもとに、できるだけわかりやすく解説します。

一見すると無関係に思える
「歯周病」と「関節リウマチ」ですが、
実は近年、両者を結びつけるはっきりとした仕組みが明らかになってきています。


🦷 関節リウマチとはどのような病気?

関節リウマチは、自分の免疫が誤って自分の体を攻撃してしまう病気(自己免疫疾患)です。

免疫の異常によって、
・関節を包む膜(滑膜)に慢性的な炎症が起こる
・関節の軟骨や骨が壊される
・関節の腫れや痛み、変形が進行する

といった変化が起こり、元に戻らない関節機能障害につながることがあります。

関節リウマチの特徴として、
抗シトルリン化タンパク抗体(ACPA)という抗体が作られることが知られています。

この抗体は、
・関節リウマチに対して非常に特異性が高い(95〜98%)
・発症の最大10年前から血液中に現れることもある

関節リウマチを示す重要なサインのひとつです。


🦠 歯周病原菌と関節リウマチの「決定的な接点」

関節リウマチの発症や進行に深く関わる現象として、
「シトルリン化」と呼ばれるタンパク質の変化があります。

これは、
タンパク質の性質が変わることで、
免疫が「異物」と誤認しやすくなる現象です。

このシトルリン化は、
ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD) という酵素によって引き起こされます。

近年の研究で、
歯周病原菌の一つである
Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis) が、

👉 PADを作り出す唯一の細菌である
ことが報告されました。

🔬 シトルリン化と関節リウマチ発症の流れ

・歯周病菌(P. gingivalis)がPADを産生
・タンパク質がシトルリン化
・免疫の誤作動が起こる
・ACPAが作られる
・関節リウマチの発症・進行につながる

この発見は、
歯周病と関節リウマチが生物学的につながっている可能性を示す、非常に重要な知見です。


📊 研究データが示す歯周病と関節リウマチの関係

多くの人を対象にした研究や解析から、次のことが分かっています。

・歯周病のある方での関節リウマチの有病率:約3.95%
 (一般の方では約1%)

・関節リウマチの患者さんでは
 ・歯周病の頻度が高い
 ・歯を支える骨の吸収が進んでいる
 ・関節リウマチの活動性(炎症の強さ)と歯周病の重症度が関連している

さらに、アメリカの大規模調査(HANES)では、
関節リウマチの患者さんは歯周病が約4倍多いことも示されています。


🔄 歯周病と関節リウマチは「双方向」の関係

最近の研究では、
歯周病の治療を行うことで、

・関節リウマチの活動性を示す指標(DAS28)
・体の炎症の程度を示す血液検査(ESR)

が改善したという報告が複数あります。

一方で、
関節リウマチの治療、特に
炎症を強く抑えるお薬(生物学的DMARDs) によって、
歯ぐきの炎症が軽くなる可能性も示されています。

つまり、
歯周病と関節リウマチは互いに影響し合う関係であると考えられています。


🪥 歯周病治療の役割

歯周病治療の基本は、
・歯石や細菌のかたまりを取り除く治療(スケーリング)
・歯の根の表面をなめらかに整え、炎症を抑える処置(ルートプレーニング)
・毎日の歯みがきなど、お口のケアの見直し

です。

これらを行うことで、
・お口の中の炎症が抑えられる
・炎症に関わる物質が減る

といった変化が起こり、
関節リウマチの炎症環境にも良い影響を与える可能性があると考えられています。


🌿 まとめ|歯周病管理は全身管理の一部です

・歯周病は「お口だけの病気」ではありません
・関節リウマチとの間には、免疫や細菌を介した明確な関係があります
歯周病治療は、関節リウマチの予防や症状の安定を支える一助となる可能性があります


🏥 当院からのメッセージ

鶴間のぽかぽか歯医者さんでは、
全身疾患をお持ちの方にも安心して治療を受けていただけるよう、

・医科との連携
・科学的根拠に基づいた歯周病管理

を大切にしています。

関節リウマチをお持ちの方、
歯周病が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。


📚 参考文献

Molon RS, et al.
Linkage of Periodontitis and Rheumatoid Arthritis: Current Evidence and Potential Biological Interactions
Int J Mol Sci. 2019;20(18):4541.

 

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